皆さんこんにちは!
季節も春になり、暖かいを過ぎて暑いと感じる日もだんだんと増えてきましたね。
そんな今からの季節に大活躍してくれるクーラーですが、あまり使いすぎると汗腺(汗を分泌する器官)が発達しない・・・なんて話を聞いたことはありませんか?
それなら、暑いけど我慢してあまり使わないほうがいいのでしょうか?
今回はそんな疑問に焦点をあてて触れていってみたいと思います!
春ならまだいいけど、夏にクーラー使えないのは厳しー!
クーラーを使うのは発達的にNGなの?
子供の発達に影響が出るよ!と言われたら使うことを躊躇したり、抵抗を感じる人もいるかもしれませんが、暑いなと感じる日や猛暑の日などはためらわずに使うようにしましょう!
たくさん汗をかくことで汗腺が発達し、暑さに強い身体になるとか、体温をコントロールする機能が上がると言われますが、このクーラーと汗腺の発達の関係性は実ははっきりしていないのです。
それに比べて気温と熱中症の関係性ははっきりとしているわけで、本当に影響があるのか曖昧なもののために熱中症のリスクを背負うのは賢明であるとは言えません。
熱中症は毎年多くの命を奪っています。無理せずに必要な時はクーラーを使用して下さい
赤ちゃんと熱中症
赤ちゃんは大人に比べて非常に熱中症になりやすいです。これは、赤ちゃんがまだ体温調節機能が未熟であるためです。赤ちゃんの体温調節機能は、暑い環境下での体温上昇を防ぐことができません。
また、赤ちゃんは、汗をかくことができる汗腺の数が少ないため、熱を放出することができません。
暑いときに暑いと伝える事もできませんし、パパやママがしっかりと環境を整えてあげる事がとても大切なのです。
汗腺について
発達も大事ですが、まずは汗腺というものに関しての正しい知識を備えましょう。
汗腺は、皮膚の中にある腺で、汗を分泌する機能があります。主に2種類の汗腺があります。それはエクリン腺とアポクリン腺です。
エクリン腺
エクリン腺は全身に分布し、皮膚の表面に開口しています。これらの腺は体温調節に重要な役割を果たしており、運動や暑さによって体温が上昇すると汗を分泌します。エクリン腺から分泌される汗は、水分や塩分を主成分とし、蒸発することで体表面の温度を下げる効果があります。
アポクリン腺
アポクリン腺は脇の下や陰部、乳輪周囲などに存在し、一般的には毛包の周囲に位置しています。これらの腺は、特に思春期以降に発達し始め、ストレスや興奮などの状況で汗を分泌します。アポクリン腺から分泌される汗は、エクリン腺のものと異なり、脂肪酸やタンパク質を含みます。これらの成分が細菌に分解されることで、体臭の原因となることがあります。
体温調節に使われる汗腺はエクリン線の方ということですね
エクリン腺の発達はだいたい2~3歳で完了
体温コントロールに必要なエクリン線の発達は、だいたい2~3歳で完了するとされています。
運動や暑さなどで体温が上昇すると、エクリン腺が能動的に汗を分泌し、水分や塩分を失うことで体表面の温度を下げ、体温の上昇を抑制します。この働きによって、人間は熱ストレス下での適応能力を維持しています。
つまり、エクリン線の発達が完了していない乳児期や幼児期は、環境側をコントロールすることが重要と言えますね。
暑熱順化への影響と間違って伝わっている可能性
発達への影響として囁かれているクーラーの使用ですが、もしかしたら暑熱順化に対する事に対して言っている可能性があります。
暑熱順化とは
はい、「暑熱順化」(熱順化、熱適応)とは、人間の体が継続的に暑い環境にさらされることで、徐々にその環境に適応するプロセスのことを指します。
暑熱順化は、体温調節機能の改善や心血管機能の適応によって、熱ストレスに対する耐性が高まる現象です。これにより、暑い環境での作業能力や運動パフォーマンスが向上することがあります。
暑熱順化の主な変化として以下のようなものがあります。
- 発汗量の増加: 暑熱順化によって、エクリン腺がより効率的に働くようになり、発汗量が増加します。これにより、体温上昇を抑える効果が高まります。
- 汗の塩分濃度の低下: 暑熱順化によって、汗の塩分濃度が低下し、水分と電解質のバランスが維持されやすくなります。
- 心拍数の低下: 暑熱順化により、心拍数が低下し、心血管機能が改善されます。これにより、熱ストレスに対する心血管システムの負担が軽減されます。
- 血流の改善: 暑熱順化によって、皮膚の血流が増加し、体表面への熱放散が効率的に行われるようになります。
このように、暑熱順化によって様々な良い変化が現れる事が認められています。
ひょっとすると『クーラーばかり使ってると汗腺が発達しないぞ!』って言っている人は、この暑熱順化のことを言っている可能性があります。だとしたら、暑熱順化は継続的に暑い場所に居続けることで獲得するのものであり、後天的に獲得できるものなので成長段階における発達とは別物として考えて良いでしょう。
クーラーの代わりに扇風機を使うのは?
これまでクーラーの発達に影響ははっきりしていませんし、必要な時は使っていきましょうとお話しましたが、それでもクーラーを使いたくないという方は扇風機の使用を考えると思います。扇風機でも問題はありませんがいくつか注意すべき事もあります。
直接風をあてない
前述したように、赤ちゃんは体温調節が苦手で上手にできません。
直接扇風機の風をあててしまうと、必要以上に体温を奪ってしまい、真夏なのに身体が冷え切ってしまうということになりかねません。風邪の原因にもなりますし風は直接当てないようにしましょう。
土台がしっかりとした安定したものを選ぶ
倒れやすい扇風機が近くにあるだけで怪我をする脅威になります。
もし使用する際は触れたくらいでは倒れないような、土台がしっかりと設計された扇風機を選ぶようにしましょう。
プロペラカバーは目が細かいものか、もしくはカバーをつける
プロペラカバーの目が大きいものだと、万が一手が届いてしまったときに巻き込まれる可能性があります。
目の細かいものを買うか、もしくは安全カバーを取り付けるようにしましょう。
まとめ
以上、クーラーはあまり使わないほうがいいの?という疑問にた対して書き進めてきました。
電気代も高い時代ですしあまり気軽に使える代物ではなくなってきていますが、熱中症の危険もあるような猛暑日などはためらわずに使うようにしてほしいという考えています。特に体温調整が苦手な赤ちゃんがいる家庭では、命を守るためにも使用をためらわないであげて欲しいです。
暑熱順化に対しても言及しましたが、赤ちゃんの間に無理して獲得しなきゃならないものでもありませんので、お子さんの身体が頑丈になってきてからでも良いのではないかなと思います。
発達への配慮も大切ですが、なにより優先すべきは命です。
皆さんの子育てライフが良いものになりますように♪
それでは!
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